「構造化マークアップ」が重要!?
JCC Express vol.2
構造化マークアップとは構造化マークアップの基礎知識検索結果への影響
「構造化マークアップ」とは?「構造化マークアップ」は、コンピュータにテキストの意味をより正確に理解してもらうための手法のことです。これまで、HTMLはコンピュータに文書構造を理解させることは得意でしたが、文章に使われている個々の単語の意味を理解させることはできませんでした。そこで、一定のルールに従って単語の意味をタグ付けする、つまり「構造化」することでコンピュータにも理解させようというのが「構造化マークアップ」なのです。具体的に言うと、「沖縄のJCC(日本コーディングカンパニー)が開発したテンプレート」というテキストの場合、人はこれまでの知識から「沖縄」が地名だど理解し、前後の文脈から「JCC」が会社名だと理解できます。ところが、コンピュータはそうはいきません。そこで、「沖縄」に「地名」、「JCC」に「会社名」というタグをつけることで、コンピュータにも理解できるようにさせるのです。
「構造化マークアップ」の基礎知識構造化マークアップは、コンピュータが効率よく情報を収集・解釈できるようにする構想(セマンティックウェブ)を背景に、開発が進んでいる技術です。コンピュータに理解させるためのタグ付けは、「ボキャブラリー」と「シンタックス」で形式化しています。モノゴトが持つ意味を表現するために、定義されたものが「ボキャブラリー」です。上記の例で言うと「地名」「会社名」など、タグにあたる部分です。「シンタックス」は、そのタグをどのように書くかなど、タグの付け方を決めたルールのことです。この2つを組み合わせて、構造化を行うことができるのです。
セマンティックウェブセマンティックウェブ(Semantic Web)とは、World Wide Webの利便性を向上させることを目的としたプロジェクトのこと。ウェブページの意味を扱うことを可能とする標準や、ツール群の開発を行っている。
ボキャブラリーボキャブラリーには様々なものが存在します。主なのは、data-vocabularyとschema.org。googleが推奨しているのはschema.orgですが、data-vocabularyでも問題なく機能します。・schema.org(schema.orgとは、検索エンジン大手の Google、Microsoft、Yahoo! がウェブの改善を目的として共同で進めている)・GoodRelations(ECサイトで使うためのボキャブラリーを定義)・FOFA (Friend of a Friend)(人物の情報を表すためのボキャブラリーを定義)・rNews(ニュース関連の情報を表すためのボキャブラリーを定義)・Data-Vocabulary.org(幅広いジャンルをカバーするボキャブラリーを定義)
シンタックスシンタックスは主に4つです。googleが推奨しているのはJSON-LDですが、それ以外でも問題なく機能します。 ・Microdata ・RDFa ・RDFa Lite ・JSON-LD RDFaは、構造化データをマークアップするシンタックスとして幅広く使われていて拡張性にも富んでいます。RDFa LiteはRDFaをもっと使いやすく簡素化したものです。現在schema.orgは、MicrodataとRDFa、JSON-LDの3つのシンタックスを公式にサポートしています。
検索結果への影響が大きい!!構造化マークアップをきちんと実装すると、商品のレビューやパンくずリストを検索結果に表示(リッチリザルト)することができ、ページの内容が検索ユーザーに伝わりやすくなるので、クリック率の向上が期待できます。また、構造化マークアップが重要な理由として、現在の検索エンジンが地域属性を重視していることがあげられます。ただ単に「上位に行く」ということではなく、地域属性などの定義があれば、その情報にふさわしい検索ユーザーに最適な情報を提示することができます。構造化マークアップが現在の検索結果にどれほど影響しているのかは、まだ議論の余地はありますが、構造化データがたくさんあればあるほど、Google のコンテンツ理解の手助けになることは確かです。2018年に開催された「ISM Spin-off #4 − Google Search Night」でGoogleのゲイリー・イリェーシュ氏は、できるだけ多くのマークアップで構造化することを推奨しています。検索エンジンに対してWebサイトや各ページの内容を分かりやすく伝えることで狙ったキーワードの順位を上昇させることがSEO施策だとしたら、構造化マークアップはなくてはならない技術なのです。そして、今後はアプリやデバイス、SNSなどウェブに繋がっているあらゆるものに影響を及ぼすと考えられているため、今こそ構造化マークアップを進めていく必要があると言えるでしょう。
リッチリザルトGoogle検索の青色リンクとURL、スニペットで構成される通常の検索結果とは異なり、結果を表示する位置や形式をさまざまに変化させたもの。
ゲイリー・イリェーシュGoogleスイスのサーチトレンド・アナリスト。Google検索やSEO関連のスポークスマンを務める機会が多い。Googleのキーマン!